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大阪地方裁判所 昭和46年(ワ)883号 判決

昭和四六年(ワ)第八八三号事件原告 同四八年(ワ)第五四〇八号事件被告

西尾豊次

昭和四六年(ワ)第八八三号事件被告 同四八年(ワ)第五四〇八号事件原告

田中和三郎

奥田己之助

主文

一、昭和四六年(ワ)第八八三号事件原告の同事件被告らに対する請求をいずれも棄却する。

二、昭和四八年(ワ)第五四〇八号事件被告は同事件原告らに対し、別紙目録記載の各土地につき、同原告らが大阪法務局守口出張所昭和四五年一〇月一五日受付第二四二五六号所有権移転請求権仮登記に基く所有権移転の本登記手続をなすことを承諾せよ。

三、訴訟費用は、全部昭和四六年(ワ)第八八三号事件原告(同四八年(ワ)第五四〇八号事件被告)の負担とする。

事実

第一  申立

一  昭和四六年(ワ)第八八三号事件原告兼同四八年(ワ)第五四〇八号事件被告(以下単に原告とのみいう。)

1  昭和四六年(ワ)第八八三号事件被告(昭和四八年(ワ)第五四〇八号事件原告、以下単に被告とのみいう。)らは原告に対し、別紙目録記載の各土地につき、大阪法務局守口出張所昭和四五年一〇月一五日受付第二四二五六号、原因同月八日売買予約、権利者被告ら(持分各二分の一)とする所有権移転請求権仮登記の抹消登記手続をせよ。

2  被告らは原告に対し、右各土地を引渡し、かつ昭和四八年八月六日から右引渡済まで一ケ月金五〇万円の割合による金員を支払え。

3  被告らの昭和四八年(ワ)第五四〇八号事件の請求を棄却する。

4  訴訟費用は、全部被告らの負担とする。

5  右2につき仮執行の宣言。

二  被告ら

主文同旨。

第二  主張

(昭和四六年第八八三号事件)

一  請求原因

1 別紙目録記載の土地二筆(以下単に本件土地という。)は、もと農地であり(登記簿上の旧地目はいずれも田)、訴外中川清一の所有であつたが、昭和四五年六月一日頃同人から訴外川瀬千恵子に売渡され、更に同月二五日同女から前田隆夫こと同大井耕夫に売渡された。但し右各売買に当つては、右土地につき各当事者間で所有権移転のために必要な農地法上の許可等を受ける手続は行われず、所有名義は川中清一のままで取引された。

2 原告は右同月二六日、右大井から本件土地を買受けた。売買代金は当初三、五一六万円(一坪当り六万円)の約定で、原告は契約成立と同時に内金六〇〇万円を大井に支払つた。

しかし同年八月二九日、原告は更に内金一、〇〇〇万円を大井に支払い、その際両者間で、残代金は坪数が減じた分だけ減額して一、七七二万円とし(結局総額で三、三七二万円)、その支払期日は同年一〇月末日、それまでに大井において、本件土地につき原告名義に所有権移転登記をなし得る状態にする、との取決めがなされた。そして原告は右一〇月末日頃大井に対し、右残代金を現実に提供したが、同人はその受領を拒絶した。

3 本件土地は、昭和四六年二月頃被告らによつて宅地化され、爾来被告らが占有している。

4 右土地については、原告の申立に基き昭和四五年一二月七日枚方簡易裁判所により、当時の登記簿上の所有名義人川中清一に対する処分禁止の仮処分命令が発せられ、同日付でその旨登記も経由されていたが、原告は昭和四八年二月頃大阪地方裁判所に対し、右川中、川瀬、大井の三名を被告として、各人に対し前記各売買を原因として、順次各買主に所有権移転登記手続をなすよう求める訴を提起し、これについては川中のみ応訴したが、同年七月四日右三名に対する原告全面勝訴の判決があり、同判決は上訴もなく確定した。そこで原告は、右土地につきまず同年八月三日登記簿上の地目を現況どおり宅地に変更する手続をなした上で、同月六日右判決に基き、川中から川瀬宛、川瀬から大井宛、大井から原告宛と、順次所有権移転登記を経由させた。

5 しかるに本件土地には、昭和四五年一〇月一五日付で、被告らを権利者とし(持分各二分の一)、同月八日売買予約を原因とする請求の趣旨1記載の所有権移転請求権仮登記が経由されている。

6 しかしながら右仮登記は、登記原因を欠き、もしくは登記義務者の意思に基かずになされたもので、無効である。

7 よつて原告は被告らに対し、本件土地の所有権に基き、本件仮登記の抹消登記手続ならびに同土地の引渡と原告名義に所有権移転登記の経由された日である昭和四八年八月六日から右引渡済まで一ケ月金五〇万円の割合による賃料相当使用損害金の支払を求める。

二  請求原因に対する被告らの答弁

1 請求原因1、3、5の各事実、ならびに同4中の本件土地に原告主張の各登記が経由されている事実は、いずれも認める。

2 同2の事実は否認する。

大井耕夫はもと協栄商事の名で不動産業を営なんでいたものであるが、原告は右大井の銀主(スポンサー)ないしは共同事業者の立場にあつたもので、転売して利益を分配するとの約束の下に、資金を醵出して大井に不動産を購入させていた。本件土地も、右のようにして原告が資金援助をして大井に購入させ、同人に転売先を探させていたものであり、本来原告には右土地を自己の所有とする意思等なかつた。この事実は、原告が行政書士であつて、農地法五条所定の許可申請手続や仮登記の手続等に精通しているはずであるのに、自己のためにこれらの手続をなさんとした形跡の全くないことからも窺知される。原告は、右大井との不動産協同購入事業が同人の放漫経営のため破綻し、投下資金の回収が困難となつたことから、急拠本件土地を大井から買受けた等と主張するに至つたのである。

三  抗弁

1 被告らは昭和四五年一〇月八日、本件土地を大井耕夫から、農地法五条所定の大阪府知事の許可を条件として買受け、その後右売買契約上の買主としての権利を保全するため、中間買主川瀬、大井の承諾の下に、登記簿上の所有名義人であつた川中清一から、直接被告ら宛に中間省略の方法で本件仮登記を受け、更にその後同人の協力を得て、大阪府知事に対し農地法五条一項三号所定の届出をなし、これは同年一二月二日受理されてその効力を生じた。

2 本件仮登記は、被告らが川中から、同人と川瀬間の売買の仲介人であつた不動産業者の土井秋雄を介して、仮登記の申請用に川中作成名義の白紙委任状とその印鑑証明書等の交付を受け、これを用いてその申請がなされたのであるから、同人の意思に基く。仮に川中が土井に右白紙委任状等を交付した際、これが仮登記の申請に用いられることが明示されていなかつたとしても、川中は本件土地についての登記手続を土井に一任し、何人名義に如何なる形式の登記がなされようと異存はないものとして右委任状等を土井に交付しているので、本件仮登記が川中の意思に基き経由されたものであることに変りはない。川中は更にその後、同様に土井を介して被告らに対し、右仮登記に基く所有権移転の本登記申請用の白紙委任状、印鑑証明書等をも交付している。

3 右被告らと大井間の売買の成立ならびに本件仮登記経由に至るまでの事情は次のとおりである。

被告らは、昭和四五年二月頃大井に金一三〇〇万円を、利息年一割五分、弁済期同年三月末日との約定で貸与し、その債権担保のため同年三月六日、門真市大字北島所在の土地二筆(いずれも登記簿上の地目田)に第一順位の抵当権の設定を受けていたのであるが(持分各二分の一)、弁済期経過後も右貸金の返済が受けられなかつたため、同年八月頃右抵当権の実行をなさんとし、その際右二筆の土地には同年六月二二日付で原告名義に所有権移転登記がなされていることが判明したので、同八月一八日到達の書面でもつて原告に対し民法三八一条所定の通知をなした。すると大井から被告らに対し、右土地が競売されると原告外多数の利害関係人に迷惑がかかることになるので、当時大井が川瀬から買受けてその代金の内金一五〇〇万円が支払済であつた本件土地を被告らに売渡すので、右貸金の元利金を合して一五〇〇万円としてその分だけ右土地の売買代金の支払を当てたこととし、右抵当権設定登記を抹消してもらいたい、との申入があつた。そこで被告らは、本件土地につき川中や川瀬に問合せをする等して調査をなした上で、農地法五条所定の許可が得られるまでの間に相当の日時を要すると考えられたところから、その間の買主としての権利保全のため仮登記がなされるのであれば、右申入に応じて右抵当権設定登記を抹消してもよい旨回答し、大井も右仮登記を経由させることを確約した。よつて同年一〇月八日被告らと大井間で、被告らが大井から右許可を条件として本件土地を代金三九三四万円で買受け、内金一五〇〇万円については前述資金の元利金をもつて支払に充当するとの合意が成立した。そして原告は、右同日更に内金五〇〇万円を大井に支払い、その後川瀬、大井了承の下に前述の方法で本件仮登記を経由させ、同月末日までに残代金も完済した。前記抵当権設定登記は同月一三日付で抹消されている。その後被告らは、本件土地につき川中の協力を得て同月三一日付で大阪府知事に対し、農地法五条一項三号所定の届出をなし、更に土地改良法四二条二項の規定に基く淀川左岸土地改良区への決済金の納付も終えたので、右届出は同年一二月二日付で正式に受理された。

4 以上述べたとおりで、被告らは右届出が受理されたことにより、その時点で本件土地の所有権を取得し、しかも本件仮登記によつてその後に登記上の利害関係を取得する者に優先する地位を確保していたのであるから、爾後他の者は農地であつた本件土地の所有権を取得し、その対抗要件を具備することは出来なくなつた。従つて原告と大井間の原告主張のような売買が成立していたとしても、これに基く原告の大井に対する条件付土地所有権移転請求権は履行不能となつて消滅し、損害賠償請求権に転換した。原告主張仮処分命令は、無権利者を相手とし、かつ既に消滅した権利を被保全権利とするもので無効である。又本件土地は後に宅地化されているが、これは被告らが前述の手続を経て所有権を取得した後適法になしたものである。しかるに原告はこれを奇貨として、本件土地の登記簿上の地目を宅地に変更し、自己のため所有権移転登記を経由させてしまつた。かかる原告の行為は、農地法上の現況主義に藉口して、同法五条の規定の趣旨を潜脱するもので、権利の乱用であり、信義に反する。従つて右所有権移転登記も無効である。

いずれにしろ被告らは、本件土地の所有権を取得し、本件仮登記に基く所有権移転の本登記をなすについての承諾を原告に訴求しているのであるから、原告の被告らに対する本訴請求はすべて失当である。

四  抗弁に対する原告の答弁

1 抗弁1中、被告ら主張届出に関する事実は不知、その余の事実はすべて否認する。

2 同2については、被告らがその主張にかかる土井秋雄を介して、川中作成名義の登記用白紙委任状、その印鑑証明書を入手し、これを用いて本件仮登記の申請がなされたことは認めるが、その余の事実はすべて否認する。

右書類は、土井が大井の依頼を受けて、仮登記の申請に用いることを秘して川中に、「川瀬から売買残代金の支払を受けるのと引換に、所有権移転登記用の書類を交付するので、事前にこれを頂りたい。」等の申入れ、その旨同人を誤信させて入手し、大井に交付したものである。川中や原告の居住する門真地区には不動産の売買に関して、代金が完済されるまでは買主のために仮登記等はせず、代金が完済されて後に所有権移転登記、これが出来ないときは仮登記をするという慣習がある。川中と川瀬の売買は右慣習に従つてなされていたので、その間で中間金の授受がなされた際にも仮登記の話等は出なかつた。原告と大井間の売買においても同様であつた。しかるに被告らは右書類を入手するや、これを無断流用して本件仮登記の申請をなしたもので、川中としてはかかる登記がなされることは全く関知せず、もしこれを知つたとすれば、右書類の交付には応じなかつたはずである。従つて本件仮登記は、登記義務者の意思に基かずになされたもので、無効である。被告ら主張の本登記申請用書類は、右の経緯で川中が土井に頂けた書類の一部であり、川中において本件仮登記を知つた上で、その本登記申請用の書類を交付したものではない。

3 同3については、被告らがその主張のとおり大井に金員を貸与し、その債権担保のため同主張の土地二筆に抵当権の設定を受けていたこと、被告らが右貸金の返済を受けられず、その主張の頃右抵当権の実行をなさんとしたことから、大井が右土地の競売を免れるため被告らに申入れて、その間で、大井が川瀬から買受けて代金の内金一五〇〇万円が支払済であつた本件土地の権利を被告らに取得させることとして、右抵当権の設定登記を抹消するとの交渉がなされるに至つたこと、被告らが同登記の抹消に応じるための条件として、本件土地に被告らの取得する権利保全のための仮登記を付すことを要求し、大井がこれを承諾したこと、その結果本件仮登記が経由され、右抵当権の設定登記は抹消されたこと、以上の事実は認めるが、被告ら主張の頃大井との間でその主張のような合意が成立したとの点は否認する。

大井は右土地の競売を免れるため、右土地と同人が川瀬に支払つた一五〇〇万円とを担保替することを企図し、被告らに対しこの趣旨にそつた申入れをなしたのであり、これに基いて昭和四五年一〇月八日頃右両者間で、大井が川瀬との間の本件土地売買契約上の買主の地位を被告らに一五〇〇万円で譲渡するとの合意が成立した。そして大井はその頃被告らから、川瀬に支払うべき残代金の支払に充てるとの名目で五〇〇万円の支払を受けた、当時大井としては、被告らに本件土地を確定的に取得させる意図はなく、近い時期に被告らに借入金を返済して本件土地を取戻す意向であつたし、被告らとしても貸金回収が目的であつて、本件土地を買求める意向はなかつたので、右のように買主の地位が譲渡されるに止まつた。そして被告らは川瀬の承諾を得て、同月末日までに残代金を同人に完済した。しかし被告らは、同年一一月末頃になつて大井に金策の目途のないことを知り、本件土地を確定的に取得しようと意図するようになり、昭和四六年一月二〇日本件仮登記に基く本登記の申請をなさんとした際、改めて大井との間で、本件土地を代金三九三四万円(前述一五〇〇万円に、被告らが大井や川瀬に支払つた金額を合意したもの)で買受ける契約をし、その結果前記買主の地位の譲渡契約は破棄された。被告ら主張日付の売買についての契約書は、その内容からみても、右新規の売買契約の際作成されたものである。

4 抗弁4の被告らの主張は争う。

本件土地は被告らが宅地化したことにより、原告の責に帰すべからざる事由により農地でなくなつたから、その所有権移転のためには最早農地法五条所定の許可等を要しなくなつた。従つて原告の大井に対する条件付所有権移転登記請求権は単なる所有権移転登記請求権に転じたので、原告はこれに基き、先に述べたとおり大井らに対し訴を提起し、その勝訴の確定判決に基き順次所有権移転登記を経由させたのである。元来本件土地については、先に買受けた原告が所有権を取得するのが道理であり、被告らから権利の乱用、信義則違反等といわれる謂はない。

五  再抗弁

1 本件仮登記は、後日その原因を欠くに至り失効した。

右仮登記は、前述被告らと大井間の「売買契約上の買主の地位の譲渡契約」を原因として、これにより被告らの取得した権利を保全するためなされたものであつたが、昭和四六年一月二〇日被告らと大井間で改めて本件土地の売買契約がなされた際、右買主の地位の譲渡契約は破棄された。しかも右新規の売買契約については、右同日付で被告らのため、同月一〇日売買を原因とする、右仮登記とは別個独立の所有権移転登記が経由されたので、本件仮登記はその原因と目的を欠くに至り、失効した。

2 被告らは本件土地に右所有権移転登記を経由させて、本件仮登記に基く本登記請求権を放棄した。

被告らは右同日頃本件仮登記に基く本登記の申請をなさんとして、本件土地には右仮登記の後に原告を権利者とする仮処分の登記がなされていることを知つたが、「原告が大井に売買代金を完済することはあり得ない。」、「被告らが損害賠償を請求すると脅せば、原告が容易に仮処分の登記を抹消するであろう。」等と判断し、当時被告らと大井間の契約についてこれを立証するための契約書が作成されていなかつたこと、その他諸般の事情を考慮して、原告に対し右仮登記に基く本登記をなすについての承諾を訴求することを断念し、別途に所有権移転登記の申請をなすことで満足することにした。右の経緯に徴すれば、被告らは右所有権移転登記申請の際、本件仮登記に基く本登記請求権を放棄したのである。

3 仮に右放棄が認められないとしても、被告らが右のとおり独立の所有権移転登記を経由させたことにより、本件仮登記は当然に失効した。

蓋し右所有権移転登記は、登記義務者である川中清一の意思に反せず、同人にはその登記申請を拒み得る特別の事情ないしは正当の利益がないので、右所有権移転登記は完全に有効であり、これにより本件仮登記はその効力を失つたことになる。仮登記も畢竟一般の登記と同様に権利を公示する手段に他ならないから、仮登記と実体関係を同じくする通常の所有権移転登記が適法になされ、かつ有効である以上、仮登記が順位保全の効力を有しつつ存続することは二重登記を承認することになり、公示制度の趣旨に反する。通常の所有権移転登記が、仮登記後に第三者の経了した登記に劣後する場合であつても、その中間の登記が抹消されれば、当然右所有権移転登記は有効と解されるであろうし、就中右所有権移転登記を基として、第三者が差押をなす等新たな権利関係が発生した場合、右所有権移転登記の効力を否定することは許されないはずである。本件土地についても、被告らは右所有権移転登記に基く所有権者として、本件土地を横切る里道について国から払下を受け、かつ本件土地を宅地化した上で他に賃貸しているのであり、右所有権移転登記を基に新たな権利関係が発生している。

六  再抗弁に対する被告らの答弁

1 再抗弁1については、本件土地に原告主張の日付で本件仮登記とは別個独立の所有権移転登記が経由された(但し後に抹消済)ことは認めるが、その余の事実は否認する。

2 同2の事実は否認し、同3の主張は争う。

仮登記権利者が、該仮登記に劣後する第三者のための登記が経由された後、該仮登記に基かない独立の所有権移転登記をなしたからといつて、これにより仮登記の順位保全の効力が放棄され或いは当然に消滅した等とされるべきではない。本来仮登記は、これに基く本登記がなされるまでその順位を保全することを目的とするものであるから、その目的が達成されるまで被保全利益が存し、その効力が存続する。

七  再再抗弁

右所有権移転登記は錯誤によりなされたものである。被告らは前述の経緯で本件土地を買受け、更に前記農地法所定の届出の受理により完全に所有権を取得したので、昭和四六年一月一〇日司法書士に本件仮登記に基く本登記の申請手続を依頼した。しかるところ司法書士は右依頼の日を売買契約日と誤信して、同日付売買を原因とする所有権移転登記を申請した。被告らとしては右一月一〇日に新たな売買をしたものではなく、本件仮登記による順位保全の効力を放棄する意思等は全くなかつた。被告らは代々農業を営むもので法的知識に乏しく、被告らが農地法五条所定の府知事の許可を得て完全に本件土地の所有者となつたので、原告が二重に右許可を受けることはあり得ないし、仮登記を経た上で、通常の所有権移転登記を受けても、仮登記に基く本登記を受けたのと法的効果に差異はないものと考え、右所有権移転登記によつても本件仮登記による順位保全の効力は確保できると誤信していた。従つて右所有権移転登記は錯誤によるものとして、本来被告らにより抹消することができたものであるが、既に昭和四八年八月六日、原告がその主張する仮処分の本案判決に基き所有権移転登記の申請をなした際、同仮処分の効力により抹消されている。そこで被告らは本件仮登記に基く本登記を経由させるべく、原告に対しその承諾を訴求しているのである。

八  再再抗弁に対する原告の答弁

右所有権移転登記が被告ら主張の経緯で抹消されていることは認めるが、被告ら主張錯誤に関する事実は否認する。

被告らから本件仮登記に基く本登記の申請手続を依頼された司法書士は、一旦右本登記の申請をなしたが受理されなかつたため、被告らの指示で独立の所有権移転登記の申請に切替えた。仮に被告らに右所有権移転登記の効力について誤解があつたとしても、これは動機の錯誤にすぎず、登記申請意思の欠〓とはならない。又仮に本件のような事案において、登記の効力を判断するに当り登記権利者の申請意思の欠〓を問題とする余地があるとしても、登記義務者において該登記の申請が適法であると信ずる正当の事由があるときは、登記権利者が自己の申請意思の欠〓を理由に登記の無効を主張することは許されないと解すべきで、本件において右所有権移転登記は、登記義務者の川中が前記原告主張の経緯で土井に交付した書類を用いて申請されているので、川中が右登記の申請が適法であると信じたことは容易に推認されるし、同人がかく信じたことも正当であつた。

(昭和四八年(ワ)第五四〇八号事件)

一  請求原因

1 昭和四六年第八八三号事件請求原因1、5に同じ。

2 右事件抗弁1ないし3に同じ。

3 しかるに本件土地には、右事件請求原因4記載のとおり原告(本事件被告)のため、仮処分の登記および所有権移転の登記が各経由されている。

4 よつて被告ら(本事件原告ら)は本件仮登記に基く本登記をなすにつき、登記上の利害関係人である原告に対しその承諾を求める。

二  請求原因に対する原告の答弁

右1、3の事実は認め、2についての答弁は右八八三号事件抗弁に対する答弁1ないし3に同じ。

三  抗弁以下当事者の主張は、右八八三号事件における再抗弁以下、各対応する主張に同じ。

第三  証拠(省略)

理由

第一  昭和四六年(ワ)第八八三号事件について。

一  請求原因1、3、5の各事実は当事者間に争いがない。同4については、本件土地につき、原告のため昭和四五年一二月七日処分禁止の仮処分登記が経由され、更に昭和四八年八月三日付原告の申請に基き登記簿上の地目が宅地に変更された上で、同月六日付で川中清一から川瀬千恵子宛、同川瀬から大井耕夫宛、同大井から原告宛と、順次所有権移転登記が経由されていることは当事者間に争いがなく、成立に争いのない甲第八号証の一、二、同第一三号証の二、同第一四号証によれば、その余の事実も認められる。

二  よつて請求原因2につき判断するに、証人大井耕夫の証言(第一回)により真正に成立したと認められる甲第二、三号証、同第四号証の一、二、同第五ないし第七号証、同証人(第一、二回)、証人土井秋雄、同尾上倍賢の各証言、原告本人尋問の結果(第一、二回、但し後記措信しない部分を除く)を総合すると、次の事実が認められる。

大井耕夫(旧姓前田、俗名隆夫)は協栄商事の名で不動産業を営んでいたものであるが、本件土地外周辺の土地一帯約五〇〇〇坪を買収して、学校用地として門真市に買上げさせようと計画し、かねて取引のあつた原告に話を持込んで、その資金援助を受ける約束を取り付け、まず本件土地を全額原告の出資で川瀬から買受けることとなつた。但しその際の話合では、原告はその出資金を売買代金の形で大井に交付するものとし、一応その間に原告が大井から本件土地をその出資金相当額で買受ける売買契約を成立させ、原告を譲受人として農地法五条所定の許可申請をなし、川瀬に対する代金完済後一旦原告名義に所有権移転登記を経由させる、利益については後日計画遂行後精算する、ということとなつた。そこで大井は、昭和四五年六月二五日川瀬との間で、大井が本件土地を一坪当り六万円、坪数は一応五六二坪(後日実測等により確定する約定)として、代金総額三三七二万円で買受ける契約をし、手附金五〇〇万円についてはその支払のため小切手を振出交付しておき、翌二六日原告との間で、大井が原告に右土地を右と同額の坪単価で、坪数は一応里道分二四坪を合した五八六坪として代金総額三五一六万円で売渡す契約を成立させ、同日その旨の売買契約書を作成するとともに、原告から同売買の手附金名目で六〇〇万円の交付を受け、これを右小切手の決済資金に当てた。その後更に川瀬に支払うべき中間金一、〇〇〇万円も、同年八月二九日大井が原告から交付を受けて、即日川瀬に支払つた。しかし右中間金は、本来同月一二日ないしは二五日頃までの間に支払われるべきであつたものが、原告において金策が出来ないままに右二九日まで支払が延期されていたもので、その間には川瀬の側から契約解除の申出等もなされていて、大井としては同年一〇月末日までに川瀬に支払うべき残代金の資金調達の可能性について強い危惧の念懐くようになり、折から被告らからその資金一三〇〇万円の返済を迫られていたこともあつて、同月八日には後述のとおり本件土地を被告らに売渡し、更に被告らのため本件仮登記をも経由させてしまつた。そのため同月末日、原告が右残代金の支払に当てるべき金員を調達して、これを大井に交付しようとしたけれども、大井はこれを受領せず、両者間で話合の結果、大井は原告に対し、本件土地を被告らから買戻して、本件仮登記の抹消登記および原告のための所有権移転登記の各申請に必要な書類を原告に交付する旨約した。しかし大井には右買戻のための資金調達の目途がなく、結局右買戻の交渉はまとまらなかつた。

以上の事実が認められ、原告本人尋問結果(第一、二回)中の右認定に反する部分は措信できない。右に認定したところによれば、原告と被告らとの間には、原告の醵出する資金で本件土地を買入れ、これを転売してその利益を分配する話合がなされていて、被告ら主張の共同事業者のような関係が成立していたとは目されるけれども、なおその間には、原告が大井から本件土地を買受ける売買契約が成立していて、その代金は一部が支払済、他は大井において受領拒絶していた事実も認められる。右共同事業の遂行と右売買契約とは併存し得るものであつて、右のように解して別段矛盾はない。

三  次に抗弁について判断するに、被告らが昭和四五年二月頃大井に金一三〇〇万円を、利息年一割五分、弁済期同年三月末日との約定で貸与し、その債権担保のため門真市大字北島所在の土地二筆に抵当権の設定を受けていたこと、大井が右金員を返済せず、そのため同年八月頃被告らが右抵当権の実行をなさんとしたことから、大井が右土地の競売を免れるため被告らに申入れて、その間で、大井が川瀬から買受け、その代金の内金一五〇〇万円が支払済であつた本件土地の権利を被告らに取得させることとして、右抵当権の設定登記を抹消するとの交渉がなされたこと、被告らが同登記の抹消に応じるための条件として、本件土地に被告らの取得する権利保全のための仮登記を付すことを要求し、大井がこれを承諾したこと、その結果本件仮登記が経由されて、右抵当権の設定登記は抹消されたこと、本件仮登記は、被告らが、川中と川瀬間の本件土地売買を仲介した不動産業者の土井秋雄を介して川中作成名義の登記用白紙委任状をその印鑑証明書を入手し、これを用いて申請されたものであること、以上の事実は当事者間に争いがない。

成立に争いのない甲第一六号証の五、六、同二三号証の一、二、四、乙第一一号証、同第一四号証、同第一六号証、証人川中清一、同土井秋雄の証言により真正に成立したものと認められる甲第二三号証の三(但し印刷済不動文字以外の、川中清一の署名押印部分を除くその余の部分は、当初白地であつた。)、証人大井耕夫の証言(第一、二回)により真正に成立したと認められる乙第七、八号証、証人尾上倍賢の証言により真正に成立したと認められる同第九、一〇号証(但し括弧書部分を除く)、同第一二、一三号証、被告奥田己之助本人尋問の結果により真正に成立したと認められる同第一七号証、右各証言および被告本人尋問の結果を総合すると、次の事実を認められる。

大井耕夫は、前示のとおり川瀬に昭和四五年一〇月末日限り支払うべき本件土地売買残代金の資金調達の可能性に強い危惧の念を懐くに至り、折から被告らからは右貸金の返済を迫られて、前記抵当権の実行通知まで受けていたところから、右残代金支払のための資金を被告らに醵出させて、一先ず本件土地を被告らに買取らせ、後日金策の出来た時点でこれを被告らから買戻そうと思い立ち、同年九月頃被告らに対し、本件土地を川瀬から買受け代金の内金一五〇〇万円が支払済であることを説明して、被告らにおいて本件土地を買受け、代金の内金一五〇〇万円については右被告らの貸金の元利金等をもつて支払に当てた(相殺)こととして、右抵当権の設定登記を抹消してもらいたいと申入、これに応じて両者間に前示のように仮登記についての話合がなされた結果、同年一〇月八日被告らと大井間で、被告らが大井から本件土地を坪数五六四坪で坪単価約七万円、代金総額三九三四万円で買受け、内金一五〇〇万円については右被告らの貸金債権でもつて相殺するとの合意が成立し、被告らは同日更に大井に代金の内金として五〇〇万円を支払つた。この金員はその後間もなく、大井から原告に借入金の返済として交付されている。その後被告らは、大井から川中清一名義の登記用白紙委任状(甲第二三号証の三)および同年九月一〇日付のその印鑑証明書(同号証の四)を受領したので、これを用いて本件仮登記を経由させ、更に川瀬の代理人尾上倍賢(内縁の夫)もしくは前記不動産業者の土井秋雄同席の場で、大井に対し同月二一日に一三七二万円、同月末日に五一二万円と五〇万円を支払い、これら金員中前二者合計一八八四万円はその場で尾上もしくはその委任を受けていた土井に手交されて、大井から川瀬に対する売買残金の支払に充当され、最終の五〇万円は土井に渡つている。その後同年一一月頃になつて、原告に前示のような約束をした大井から被告らに対し、本件土地買戻の話が持込まれたが、前示の理由で交渉は結実しなかつた。

右仮登記の申請に用いられた川中清一名義の登記用白紙委任状とその印鑑証明書は、土井が転々とする本件土地買主の権利保全のための仮登記申請用として、前記尾上もしくは大井の依頼で右川中から交付を受けたものが直接土井もしくは尾上を経て大井に交付されたものである。なお当時本件土地の登記済権利証書が川中から土井に交付された形跡はない。尾上は本件土地の買受および転売につき川瀬の包括的代理人であつたものであるが、本件土地に被告らのため仮登記を付すことは事前に被告らから申出を受け了承済であつたもので、尾上、土井ともに、被告らが右書類を用いて直接川中から被告ら宛に中間省略の方法で、本件のような仮登記を付すことに別段異存はなかつた。又土井が川中から右書類の交付を受ける際、これが仮登記の申請に用いられる旨説明されていたか否か定かではないが、当時川中としては、本件土地の取引に関し土井を信頼していて、一部川瀬からの残代金が未済であつたものの、これも期日に支払われる目途があつて、何らの不安も懐いておらず、その登記手続の件は土井に一任していたので、同人に対し如何なる形式の登記がなされるのが別段せんさくもせず、土井に求められるままに右書類を交付したものであり、当時川中が、右書類が被告らのための仮登記の申請に用いられることを知つていたとすれば、土井に対し右書類の交付を拒んだであろう等と考えるべき事情は何も見出されない。川中は更にその後本件土地についての登記用白紙委任状(甲第一六号証の五)、同年一二月二五日付その印鑑証明書(同号証の六)、登記済権利証書を土井に交付し、これを被告らが入手して、後述のとおり本件土地に被告らのため所有権移転登記が経由されたが、その前後を通じて川中が本件仮登記の経由につき異議を述べた形跡は全くない。

更に被告らは土井を介し川中の協力を得て、同年一〇月三一日付で本件土地につき農地法五条一項三号所定の届出をなし、同年一一月下旬には土地改良法四二条二項の規定による淀川左岸土地改良区への決済金の納付も終えたので、右届出は同年一二月二日付で受理され、同日をもつてその効力が生じた。

以上の事実が認められ、原告本人尋問結果(第二回)中の右認定に反する部分は、前掲各証拠に照らし措信し難く、他に右認定を覆すに足る証拠はない。そうすると被告らは、その主張のとおり昭和四五年一〇月八日大井から当時農地であつた本件土地を買受ける契約をし、その代金も支払済であつて、同年一二月二日には農地法五条一項三号所定の届出も受理されてその効力を生じている。しかも被告らの右売買契約上の買主としての権利を保全するため、中間買主川瀬、大井了承の下に、登記簿上の所有名義人であつた川中清一から直接被告ら宛中間省略の方法による本件仮登記が経由されていて、右仮登記は登記義務者の意思に基き申請されたものとして有効である。

四  再抗弁について

本件土地に被告らのため昭和四六年一月二〇日付で、同月一〇日売買を原因とする、本件仮登記とは別個独立の所有権移転登記が経由されていた(後に抹消済)ことは当事者間に争いがないが、成立に争いのない甲第一六号証の一ないし五によれば、右所有権移転登記のなされるに至つた経緯をしては次に述べる事実が認められるのであつて、右のような所有権移転登記が経由されたことをもつて、直ちにその頃被告らと大井間に原告主張のような売買契約が成立したと即断し得るものではなく、他に右原告主張事実を認めるに足る証拠はない。まして右の頃、昭和四五年一〇月八日被告らと大井間に成立した契約が破棄された等という原告主張事実を認めるに足る証拠は何もない。

被告らは昭和四六年一月二〇日頃、前示のとおり再度入手した川中清一名義の登記用白紙委任状等を用いて、本件仮登記に基く所有権移転の本登記を申請せんとして、これを司法書士に依頼し、これを受けた司法書士も一旦は右同日付で右本登記の申請をなしたのであるが(その前提として、同日付で本件仮登記につき、権利者である被告らの住居表示変更の付記登記の申請をなし、これは受理されている。)、その時点で本件土地には右仮登記後に原告を権利者とする川中清一に対する処分禁止仮処分の登記がなされていることが判明し、右本登記の申請は原告の同意書が添付されていなかつたため受理されず、同申請の書類は急拠前記独立の所有権移転登記の申請用に書替られて提出され、これが受理された結果同所有権移転登記が経由されるに至つた。

右のとおりで、再抗弁1の主張が理由のないことは明らかである。又右のとおり本件仮登記に基く本登記の申請書類が独立の所有権移転登記の書類に書替られて提出される過程で、被告らがこれを知らされず、右措置が被告らの承諾なしになされたものとは解し難いところであるが、そもそも仮登記権利者が本登記申請の要件を具備した時点で、該仮登記後に第三者のための登記が経由されていて、その権利者の任意の同意が得られないため該仮登記に基く本登記の申請をすることができず、これとは別個独立の所有権移転登記の申請をなしたからといつて、これにより当然に仮登記義務者に対する本登記請求権を放棄した等と断定することはできず、本件において被告らが右本登記請求権を放棄したと認めるに足る証拠はない。更に右のような場合に、独立の所有権移転登記が経由されたことにより、先行する仮登記が当然に失効するとも解し難い。右のようにして経由された独立の所有権移転登記は、これに先行し、仮登記には劣後する登記により保全された第三者の権利が実行されれば、その結果抹消される運命にあり、かかる危険を伴う暫定的な対抗力を具備するものとして存続するにすぎないから、その効力と仮登記の順次保全の効力が併存すると解したからといつて、何ら権利公示のための登記制度の趣旨に反することにはならない。しかも右のような所有権移転登記も、受理されなかつた本登記申請の際の書類を流用して迅速簡易に、その後の登記上の利害関係人の出現を阻止し得るという点では、これを経由させる意義があり、これを経由させる当事者の意図もかかる点にあると推測される。本件所有権移転登記は、本来被告らにおいて錯誤を理由に抹消することができたはずのもので、たまたま原告のため経由された仮処分の効力により抹消されてしまつた(この点は当事者間に争いがない。)だけのことである。仮登記義務者としては、仮登記権利者に該仮登記に基く本登記を経由させて、仮登記により保全された順位に基く安全な対抗要件を具備させる義務があるわけであるから、右のように解したからといつて、何ら仮登記義務者を害することにはならないし、その本来の意思に反するものではない(再度の本登記申請のための費用負担の問題は別途に考えれば足りる)。以上のとおりで再抗弁2、3の主張も理由がない。

五  そうすると被告らに対し本件仮登記の抹消登記手続を求める原告の請求は明らかに失当である。

又被告らが本件仮登記に基く所有権移転の本登記手続をなすべく、その承諾を原告に訴求していて、これが認容さるべきものであることは後述のとおりであるから、かかる場合原告は、本件土地に所有権移転登記を経由していても、最早被告らに対し右土地の所有権を主張し得ないものというべく、原告のその余の請求も失当である(被告らが昭和四八年八月六日前に本件仮登記を経由し、かつ本件土地の所有権を取得していることは前示認定のとおりである)。

第二  昭和四八年(ワ)第五四〇八号事件について

請求原因1の事実(昭和四六年第八八三号事件請求原因1、5の各事実)および同3の事件(同事件請求原因4の記載のとおり本件土地に原告のため仮処分の登記および所有権移転の登記が経由されている事実)は当事者間に争いがなく、被告ら(本事件原告)が本件土地を大井から買受けて、農地法五条一項三号所定の届出をなし、これが受理されたこと、および本件仮登記が登記義務者の意思に基き有効に経由されたことは、前示認定のとおりであり、同仮登記の効力が消滅したとする原告(本訴被告)の主張がすべて理由がないと判断されることは、前述のとおりである。

そうすると、原告は本件仮登記後に本件土地に経由された登記上の利害関係人として、被告らが本件仮登記に基く所有権移転の本登記手続をなすにつき承諾する義務があり、被告らの原告に対する本訴請求は正当として認容される。

よつて訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

別紙

目録

(一) 門真市大字岸和田一八四番一

宅地 一五一四・〇三平方メートル

(二) 右同所一九三番二

宅地 三五〇・五四平方メートル

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